観葉植物のハダニ被害を防ぐ!害虫への「予防」と「駆除」

観葉植物に虫やダニがつくと、植物が弱りますし、世話をする方もやるせない気持ちになったりします。中でも特に厄介なのがハダニで、葉の裏に寄生し、初期には白い斑点が現れます。放置すると急速に増殖し、葉が枯れたりクモの巣のような膜を張ったりする深刻な被害に発展します。また、ハダニの中には人体にかゆみやアレルギーを引き起こす可能性がある種類もいるため注意が必要です。この記事では、ハダニの見分け方や駆除方法、虫がわかない育て方まで、観葉植物を健康に保つための対策をトータルで詳しく解説します。
- 観葉植物に付くハダニなどの虫の発見方法や、初期の被害のサイン
- 観葉植物に付いたハダニなどの虫を放置すると植物がどうなってしまうか
- 観葉植物にダニなどの虫を寄せ付けないための具体的な予防方法
- 観葉植物に発生したハダニなどの虫のさまざまな駆除方法
観葉植物の虫「ダニ」の正体と見つけ方
- 観葉植物の「ダニ」とは?生態と繁殖力
- 植物の葉に白い斑点?ダニ被害のサイン
- 観葉植物に寄生するダニの見分け方
- ダニ被害を放っておくとどうなる?
- 観葉植物のダニが人体に影響するかゆみは?
観葉植物の「ダニ」とは?生態と繁殖力

観葉植物に発生する小さな虫として、「ダニ」という言葉を耳にしたことはありませんか?多くの場合、これは「ハダニ」と呼ばれる種類のダニを指しています。
ハダニは、節足動物門クモ綱ダニ目に分類される微小な生物で、成虫の体長はおよそ0.3ミリから0.5ミリ程度とされています。これは、一般的なシャープペンシルの芯(0.5ミリ程度)と同じか、それよりも小さいサイズです。そのため、肉眼で見つけるのは簡単ではありません。
ハダニは植物の汁を吸って生きる厄介な存在です。まるで吸血鬼のように、針のような口を使って植物の細胞から液を吸い取ります。こうした吸血ならぬ「吸汁」行動によって、植物は栄養や水分を奪われ、徐々に弱ってしまうのです。
ハダニには実にさまざまな種類が存在し、主に植物に寄生するものを指すことが多いようです。中でも、黄緑色をした「ナミハダニ」や、赤色の「カンザワハダニ」などが代表的な種類として知られています。
その生態において特に注目すべきなのが、高温で乾燥した環境を好むという特徴です。具体的には、20度から30度、あるいは25度から30度といった気温で活発に繁殖すると言われています。このため、梅雨明けから9月ごろにかけての夏場は特に注意が必要な時期です。また、乾燥した環境ではより増殖しやすく、風通しの悪い場所や、ほこりの多い場所もハダニが発生しやすい条件となります。
ハダニが特に厄介とされる最大の理由は、その驚くほど高い繁殖力と成長の早さです。卵から成虫になるまでの期間が非常に短く、条件が揃えば、わずか1週間ほどで成長してしまうこともあります。さらに驚くべきことに、メスはオスがいなくても卵を産むことができ、一度に200個前後、あるいは50個から100個程度の卵を産むとされています。
この驚異的なスピードで増えるため、一度発生してしまうと、短期間で大量に繁殖してしまう危険性があるのです。またハダニは一生を植物の葉の上で過ごすことが多く、それも駆除を難しくする要因の一つとなっています。
このように、観葉植物に発生する「ダニ」、特にハダニは、非常に小さく、高温で乾燥した環境を好み、圧倒的な繁殖力を持つ害虫です。その生態をしっかりと理解することは、効果的な対策をとるうえで欠かせません。
次の章では、ハダニが観葉植物に寄生したときに見られる、目に見えるサインについて詳しく解説していきます。
植物の葉に白い斑点?ダニ被害のサイン

観葉植物にハダニが寄生すると、その被害は主に植物の葉に現れることが一般的です。初期の段階では、目に見える虫の姿を確認するのは難しいかもしれませんが、葉の変化を注意深く観察することで、ハダニ被害のサインを見つけることができます。
ハダニによる被害で最もよく見られるのが、葉の色や質感の変化です。健康な植物の葉は鮮やかな緑色をしていますが、ハダニに吸汁されると、その緑色が薄くなり、徐々に色あせていきます。場合によっては、葉全体が白っぽく色抜けしたように見えることもあります。これはハダニが葉の細胞から栄養分、特に葉緑素(クロロフィル)を吸い取ることで、光合成ができなくなるためと考えられます。被害が進むと葉は黄色や茶色に変色し、やがて枯れてしまうこともあります。
また、ハダニに吸汁された部分には、小さな斑点が現れることがあります。初期には淡い黄色や白色の点として現れますが、時間が経つにつれて茶色や黒色に変化する場合もあります。これらの斑点は主に葉の表面に現れますが、裏側にも確認できることがあります。この特徴的な症状は「ハダニ斑」と呼ばれ、ハダニ被害の典型的なサインの一つです。葉に小さな白い斑点が見られたときは、葉の裏側もチェックしてみるとよいでしょう。
ハダニに寄生された葉は、全体的に乾燥しやすくなる傾向があります。これはハダニが葉の細胞から水分も同時に吸い取ってしまうためです。乾燥した葉は触ると脆く、簡単に折れたり、縮れたりすることがあります。特に葉の縁から乾燥が進行し、徐々に葉全体に被害が広がっていくことも少なくありません。
ハダニが大量に発生した場合、さらにわかりやすいサインが現れます。それが、植物の葉や茎に蜘蛛の巣のような細い糸が張られる現象です。ハダニは移動する際に糸を出す性質があり、個体数が多いとその糸が目立つようになります。もし観葉植物に蜘蛛の巣のようなものが見えたら、それはハダニが大量発生している可能性が高いサインです。
こうした葉の色の変化や斑点の出現、乾燥、そして蜘蛛の巣状の糸は、ハダニ被害を発見するための重要な手がかりとなります。早い段階でこれらのサインに気づくことが、植物へのダメージを最小限に抑えるために非常に重要です。
続いての章では、こうしたサインをもとに、実際に観葉植物に寄生しているハダニをどのように見分けるかについて、詳しく解説していきます。
観葉植物に寄生するダニの見分け方

観葉植物に白い斑点や色抜けといったサインが見られたとき、実際にダニ(ハダニ)が寄生しているかどうかを確認する必要があります。ハダニは非常に小さいため、肉眼で見つけるのは簡単ではありませんが、いくつかの方法で見分けることが可能です。
前述の通り、ハダニの成虫は体長およそ0.3ミリから0.5ミリほどと、極めて小さいのが特徴です。種類によっては、黄緑色や赤色をしていることもあります。ハダニが好んで生息するのは、主に植物の葉の裏側や新芽の部分です。葉の表側や茎には、あまり寄生しません。そのため、ハダニを探す際には、特に葉の裏側を重点的に観察することが重要です。
見分け方として、まずは肉眼での観察を試してみましょう。葉の裏側を明るい場所でよく見ると、小さな点のような虫が動いているのが確認できるかもしれません。被害が進んでいる場合は、大小さまざまなサイズの幼虫や卵が見えることもあります。卵は透明な球状で、葉の裏に産みつけられます。
ただし、ハダニは非常に小さいため、肉眼では見つけにくい場合も多くあります。そんなときにおすすめなのが、白い紙の上で葉を軽く叩いてみる方法です。葉の裏側をトントンと軽く叩いて、小さな点のようなものが紙の上に落ちてきたら、それが動き出すかどうかを観察しましょう。動いていれば、それはハダニである可能性が高いです。
また、先にお話ししたような葉のサインも見分ける際の大切なヒントになります。葉の色が白っぽく抜けていたり、小さな白い斑点が見られたりする場合は、ハダニ被害を疑って葉の裏側をさらに詳しく確認してみましょう。被害が進行すると、蜘蛛の巣のような細かい糸が見えることもあります。これも、ハダニがいることを示すサインです。
さらに手軽にできる方法として、濡らしたティッシュや柔らかい布で葉の裏側をそっと拭いてみるのも効果的です。もしハダニが寄生していれば、拭いたティッシュや布に、小さな赤い点や黄緑色の点が付着することがあります。これはハダニを潰した際に体液の色が移ったものです。この方法であれば、葉の裏側のホコリも一緒に除去できるため、害虫予防の一環にもなります。
このように、ハダニを見分けるためには、その小ささや生息場所の特徴を理解しながら、葉の変化や観察法を組み合わせて確認することが効果的です。早い段階でハダニを見つけることができれば、その後の駆除や被害の拡大を防ぐことにもつながります。
もし観葉植物にハダニが見つかった場合、それを放っておくとどうなるのでしょうか。次の章では、ハダニの影響について詳しく解説していきます。
ダニ被害を放っておくとどうなる?

観葉植物にハダニが寄生しているのを見つけたものの、「これくらいなら大丈夫だろう」とそのままにしてしまうと、どのような事態が起こるのでしょうか。残念ながら、ハダニの被害を放置することは、観葉植物にとって深刻な結果を招く恐れがあります。
前述の通り、ハダニは非常に繁殖力が強く、ライフサイクルも短いため、あっという間に数が増える可能性を持っています。特にハダニが好む高温で乾燥した環境が整っていれば、爆発的に繁殖し、植物全体に被害が広がってしまいます。
ハダニは植物の葉から汁を吸って栄養を摂取します。少数であれば植物への影響も限定的かもしれませんが、大量に発生すると、植物は大量の水分や栄養を吸い取られてしまいます。その結果、葉の色が悪くなったり、白い斑点が増えたり、乾燥が進んだりといった症状が現れ、植物本来の生育が妨げられてしまうのです。
さらに被害が進むと、植物は光合成や水分の循環がうまくできなくなり、やがて枯れてしまうこともあります。大切に育てていた観葉植物が、ハダニのせいで枯れてしまうのはとても残念なことです。
またハダニは鉢などの環境に一度入り込むと、防除が非常に難しい害虫だと言われています。その理由は、ハダニが持つ高い繁殖力に加え、薬剤に対して抵抗性を持ちやすいという特徴があるためです。同じ種類の農薬を繰り返し使っていると、その農薬に強いハダニだけが生き残り、次第に薬剤が効きにくくなってしまいます。その結果、農薬を使用しても駆除が不十分になり、被害がさらに拡大するという悪循環に陥ることも珍しくありません。
このように、観葉植物に発生したハダニを放置すると、植物が弱って育たなくなり、最悪の場合は枯れてしまうといった深刻な結果につながります。一度大量発生してしまうと駆除そのものが非常に難しくなるため、被害が拡大するリスクも高まります。
植物の健康を守るためには、ハダニのサインを見つけた時点で、できるだけ早く対策を始めることが何よりも大切です。
ところで、植物に付くダニは、私たち人間の体にどのような影響を与えるのでしょうか。特に気になる「かゆみ」について、次の章で詳しく解説します。
観葉植物のダニが人体に影響するかゆみは?

観葉植物にダニが発生したと聞くと、「もしかして、このダニに刺されてかゆくなるのでは?」と心配になる方もいるかもしれません。しかし、観葉植物に主に発生するハダニは植物の汁を餌としており、基本的に人間に危害を加えたり、刺したりすることはありません。ハダニによる直接的な虫刺されの心配は、ほとんどないと言ってよいでしょう。
ただし、注意が必要なのは、「ダニ」といっても種類が非常に多岐にわたるという点です。ハダニは植物に寄生するダニですが、私たちの身近には人を刺したり、アレルギーの原因になったりする、別の種類のダニも存在しています。
例えば、人を刺すダニとして代表的なのは、ツメダニ、イエダニ、マダニの3種類です。ツメダニやイエダニは屋内で発生することがあり、布団やカーペット、畳などに潜んでいます。これらのダニに刺されると、かゆみや赤い腫れといった症状が出ることがあります。
特にツメダニに刺された場合、刺された直後には症状が出なくても、翌日以降にかゆみが現れ、それが1週間ほど続くという特徴があります。イエダニに刺された場合は、刺された直後からかゆみや赤みが出ることが多いようです。これらの人を刺すダニは高温多湿の環境を好み、梅雨時や夏から秋にかけて繁殖が活発になります。
観葉植物そのものが、これらの人を刺すダニの直接的な発生源となるわけではありませんが、観葉植物を置いている環境、特に湿度が高い場所は、室内で繁殖するダニにとっても快適な環境となる可能性があります。実際、観葉植物は室内の湿度を上げる要因の一つとなるため、ダニアレルギー対策としては、観葉植物をベランダなどに移動させることが推奨される場合もあります。
また、ハダニ自体が人を刺すことはなくても、ダニの一種である以上、ダニアレルギー体質の方は注意が必要なケースもあります。ダニアレルギーは、ダニの糞や死骸などがアレルゲンとなり、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった鼻炎症状や、皮膚のかゆみ、湿疹、さらには喘息などを引き起こすことがあります。特に9月から10月にかけては、ダニアレルギーの症状が出やすい時期とされています。室内でのダニ対策としては、ホコリをためないことや、湿気の管理が重要です。
まとめると、観葉植物に発生するハダニが、直接的にかゆみの原因となることはほとんどありません。しかし、観葉植物を置く環境によっては、他の種類のダニが繁殖しやすくなり、かゆみなどの被害につながる可能性はあります。また、ダニアレルギーをお持ちの方は、ダニ全般に注意を払うことが大切です。
それでは、もし観葉植物にハダニを見つけた場合、被害が広がるのを防ぐためにはどのような対策を早期に講じるべきなのでしょうか。次の章では、早期発見と隔離の重要性について詳しく解説します。
観葉植物につく「ダニ」を駆除・予防する方法
- ダニの被害拡大を防ぐ早期発見と隔離
- 観葉植物のダニと土の関係性
- 水を使った無農薬の駆除・予防法
- その他の無農薬・物理的な対策
- 農薬や天敵を利用した駆除
- 観葉植物に虫がわかないようにする方法
ダニの被害拡大を防ぐ早期発見と隔離

観葉植物にハダニが発生した場合、被害の拡大を最小限に抑えるためには、早期発見と適切な対応が非常に重要です。ハダニは、前述の通り繁殖スピードが非常に速いため、見つけ次第、迅速に対策を講じる必要があります。
まず、早期発見のためには、観葉植物を日頃からよく観察する習慣をつけることが大切です。毎日の水やりや葉の状態をチェックする際に、葉の色や質感に変化がないか、小さな斑点や色抜けが見られないかに注目しましょう。特に、ハダニが好む葉の裏側を丁寧に確認することがポイントです。可能であれば、週に一度程度、葉の裏側を濡らしたティッシュなどで拭いてあげると、ほこりを取り除きながらハダニの早期発見にもつながります。蜘蛛の巣のような糸がないかも併せて確認してください。
もし観葉植物にハダニが寄生しているのを見つけた場合、次にすべきことは感染した植物を他の植物からすぐに隔離することです。ハダニは非常に小さいため簡単に他の植物へ移動し、被害を広げてしまう恐れがあります。被害が確認された鉢植えは、ただちに他の観葉植物から離れた場所に移動させましょう。最低でも1メートル以上の距離を保つか、可能であれば別の部屋に移すのが理想的です。これによって、まだ被害が出ていない植物への感染を防ぐことができます。
また、新しく観葉植物を家に迎える際も、すぐに既存の植物の隣に置くのではなく、一定期間は隔離して様子を見ることをおすすめします。購入した植物には、目に見えない害虫が付着している可能性も否定できません。数週間ほど他の植物から離れた場所で管理し、害虫の発生がないかを確認することで、既存の植物へのリスクを大幅に減らすことができます。
すでにハダニにひどく寄生されてしまっている葉がある場合は、その葉を取り除くことも有効な対策の一つです。被害が進んだ葉を切り取ることで、その部分にいるハダニや卵を物理的に減らすことができます。切り取った葉はすぐにビニール袋などに入れて密封し、適切に処分するようにしてください。
これらの早期発見と隔離の対策は、ハダニの驚異的な繁殖力に立ち向かううえで非常に効果的です。日頃から植物をよく観察し、異変に気づいたらすぐに行動することが大切な観葉植物を守るための鍵となります。
さて、ここまでハダニは主に葉に寄生するというお話をしてきましたが、観葉植物の「土」とダニには、どのような関係があるのでしょうか?次の章では、その点についてさらに詳しく掘り下げていきます。
観葉植物のダニと土の関係性

観葉植物の土から小さな虫がわいているのを見て、「これはダニだろうか?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、観葉植物の土から発生する虫が、前述のハダニである可能性は低いです。なぜなら、ハダニは基本的に一生を植物の葉の上で過ごすことが多く、土の中に生息したり、土から発生したりする種類のダニとは異なるためです。
観葉植物の土から発生しやすい小さな虫としては、コバエ(ショウジョウバエやノミバエなど)やチョウバエが挙げられます。これらの虫は、土が過剰に湿っていたり、受け皿に水が溜まっていたり、腐敗した有機物が多い環境を好んで発生します。また、土の中に有機物が多く含まれていると、それを餌とするトビムシといった白い小さな虫がわくこともあります。土の表面に白い塊が見えることがありますが、これはダニではなく、水に含まれるカルシウムやマグネシウムが蓄積したものか、カビや菌の可能性が高いです。
つまり、観葉植物の土から虫が発生することはありますが、それは主に湿度や有機物の管理が原因であり、葉に寄生するハダニとは異なる種類の虫である可能性が高いのです。ハダニは葉の裏に卵を産み付け、そこで繁殖します。
しかし、土の状態を適切に管理することは、間接的にハダニの予防にもつながる場合があります。例えば植物が健康であれば、害虫に対する抵抗力も高まります。適切な水やりや施肥によって植物を健全に保つことは、結果としてハダニを含む様々な害虫の被害を受けにくくすることにつながるのです。また、土の表面に枯れた葉や花が落ちたままになっていると、それが腐敗してコバエなどの発生源となるだけでなく、他の害虫の隠れ家やエサとなる可能性もあります。水やりのついでに、鉢の中の枯れた葉などをサッと掃除することは、害虫予防に効果的です。さらに土の表面を軽く耕して空気を入れ、清潔さを保つことも、害虫予防につながると考えられます。
虫がわかない土壌環境を作るためには、いくつかのポイントがあります。水やりは土の表面が乾いてから行うようにし、土が常に湿った状態を避けることが大切です。受け皿に溜まった水はすぐに捨てることも、虫の繁殖を防ぐために重要です。また、朝に水やりを行うことで、日中のうちに土の表面が乾燥しやすくなり、虫が寄り付きにくくなると言われています。土を新しく交換する際には、殺菌された清潔な土を使用したり、鉢の表面に無機質の表面材(赤玉土や砂など)を敷いたりすることも、虫の侵入を防ぐ対策として有効です。
このように、ハダニと土の直接的な関係性は薄いものの、土の環境を適切に管理することは、観葉植物全体の健康を保ち、様々な虫の発生を予防するために非常に重要であると言えます。
次に、ハダニの駆除や予防の方法として、水を使った対策に焦点を当てて見ていきましょう。
水を使った無農薬の駆除・予防法

ハダニの対策として、化学薬剤を使わずに身近な「水」を利用する方法があります。ハダニは高温で乾燥した環境を好む一方、水には弱いという性質を持っています。この弱点を突く方法は、特にハダニが発生し始めたばかりの時期や、数がそれほど多くない段階で効果が期待できます。
最も手軽にできる方法の一つが、「葉水(はみず)」と呼ばれる霧吹きによる水やりです。葉水は、植物の葉の表面や裏側に霧吹きで水を吹きかけることで、葉の乾燥を防ぎ、空気中の湿度を高める効果があります。ハダニは乾燥した環境で繁殖が進むため、葉水をこまめに行うことは、ハダニの発生を抑える予防策として非常に有効です。特に空気が乾きやすい季節には、毎日葉水を行うことが推奨されています。
葉水を行う際には、ハダニが潜みやすい葉の裏側にもしっかりと水がかかるように意識することが大切です。葉水は予防だけでなく、すでに発生してしまったハダニを洗い流す簡易的な駆除方法としても活用できます。
ハダニの数が増えてきた場合には、植物全体を水で洗い流す「水洗い」も効果的です。これは、ベランダや庭、お風呂場など水を流せる場所で行います。シャワーなどを使って植物全体に水をかけ、葉に付着しているハダニを物理的に洗い流す方法です。特に葉の裏側は丁寧に洗うようにしましょう。ホースで勢いよく水をかけるのも効果的ですが、水圧が強すぎると植物が傷むおそれがあるため、植物の種類や状態に合わせて水圧を調整する必要があります。鉢の中に水が入ってしまわないよう、鉢の上部をキッチンラップなどでカバーするのも一つの方法です。
さらに、鉢植えのサイズが小さい場合は、鉢ごと水に浸ける「水没」という方法も有効です。バケツなどに水を張り、鉢ごと数分から数時間ほど浸けておくことで、葉に付いたハダニを窒息させたり、洗い流したりできます。コバエ対策としても、土の中の卵や害虫を窒息させる効果が期待できます。ただし、根腐れを引き起こすリスクがあるため、湿気に弱い植物や根が傷みやすい植物には不向きです。水に浸ける時間も、植物の種類や健康状態に応じて調整する必要があります。
このような水を使った方法は、化学薬剤を使わないため植物や環境にやさしいという大きなメリットがあります。ただし、水だけではハダニを完全に駆除する力が弱いという一面もあります。特にハダニが大量に発生してしまった場合、水だけの対策では十分な効果を得られない可能性が高いのです。
そのため水を使った方法は、他の対策と併用したり、繰り返し定期的に行ったりすることで、より効果を発揮します。
水を使った対策以外にも、化学薬剤に頼らずにハダニを駆除・予防する方法はあります。次の章では、それらの「その他の無農薬・物理的な対策」について詳しくご紹介していきます。
その他の無農薬・物理的な対策

観葉植物に発生したハダニに対しては、水を使った方法のほかにも、化学薬剤を使わないさまざまな対策があります。これらは、ハダニを物理的に取り除いたり、ハダニが住みにくい環境を作ったりすることで被害を防ぐ方法です。
まず、日頃の手入れが非常に重要になります。前述の通り、枯れた葉や落ちた花、そしてホコリは虫のエサになったり隠れ家になったりする可能性があります。水やりの際などに、こうした不要なものを取り除く習慣をつけることは、害虫予防につながります。
また葉の表面にほこりがたまっていると、ハダニが隠れやすくなります。定期的に柔らかい布などで葉の表面や裏側を拭き掃除することで、ほこりを取り除くと同時に、早期のハダニ発見にも役立ちます。濡らしたティッシュなどを使えば、拭き取りながらハダニがいないか確認することも可能です。
観葉植物を置く「場所」も、ハダニの発生に大きく関係してきます。ハダニは風通しの悪い場所を好む傾向があるため、風通しの良い場所に置くことで、ハダニの繁殖スピードを抑える効果が期待できます。窓を少し開けて空気の流れを作る、あるいはサーキュレーターを使って部屋の空気を循環させるといった工夫も有効です。
特に冬場の暖房使用時など、空気がこもりやすい時期には意識的に換気や空気循環を行うことが大切です。植物が密集しすぎている場合には、剪定して枝葉を間引くことで風通しを改善することもできます。
ハダニの被害を見つけた際に、物理的にハダニを取り除く方法もあります。たとえば、セロハンテープやガムテープなどの粘着テープを使って、ハダニが付着している部分にテープを貼り付け剥がすことで、ハダニを除去することができます。ただし、葉を傷つけないように注意して行う必要があります。
また、被害が進んでしまっている葉や茎の一部を思い切って切り取るのも有効な手段です。特に葉の付け根などに隠れてコロニーを形成している場合は、葉ごと取り除くほうが効果的なこともあります。切り取った部分は適切に処分しましょう。
牛乳やコーヒー、酢や重曹などの身近な食品でもハダニに効果があり、これらも化学薬剤を使わない対策として紹介されることがあります。牛乳を水で薄めて散布し、乾かしてハダニを窒息させる方法や、カフェイン成分が有効とされる濃いめのコーヒー抽出液を散布する方法などが挙げられます。
ただし牛乳は洗い流さないとカビや異臭の原因になること、コーヒー抽出液は濃度によって効果が期待できない場合があること、酢や重曹はハダニに対して高い効果が見込めないことなど、それぞれに注意点や限界があります。
また家庭にあるもので使えるものとして、中性洗剤や石けん水も挙げられます。これらを水で薄めて散布すると、ハダニの体表を覆う脂質層を破壊したり、石けんの油分で窒息させたりすることで、駆除効果が期待できます。
しかし、濃度が高すぎると植物にダメージを与えたり、葉に成分が残ることで光合成を妨げたりする可能性があるため、適切な濃度に薄め、散布後は数時間後に水で洗い流すなどの注意が必要です。石けん水のほうが、比較的天然成分で植物に優しいとされています。
これらの無農薬・物理的な対策は、ハダニの数が少ない段階であれば十分な効果を発揮することがあります。しかし大量発生してしまった場合には、これらの方法だけでは駆除が追いつかない可能性も出てきます。
そのような場合や、より確実に駆除したいと考える際には、農薬やハダニの天敵を利用するという選択肢も検討してみます。次の章では、それらの方法について説明します。
農薬や天敵を利用した駆除

無農薬や物理的な方法ではハダニの駆除が難しい場合や、すでに大量発生してしまっている場合には、農薬の使用も有効な手段の一つです。特に広範囲に被害が及んでいたり、繁殖スピードが速くて手が回らなかったりする場合には、農薬の使用が検討されます。
ハダニに効果のある農薬はいくつかありますが、選ぶ際には注意すべきポイントがあります。上でもすでにお話ししていますが、ハダニは薬剤への抵抗性を発達させやすい害虫として知られています。同じ種類の農薬を繰り返し使っていると、その農薬が効かなくなる「薬剤抵抗性」が生じやすくなってしまいます。この問題を避けるためには、作用の異なる複数の農薬を用意し、ローテーションで使用するのが効果的です。
農薬を散布する際は、ハダニが潜んでいる葉の裏側までしっかり薬剤が届くよう、丁寧に散布することが大切です。薬剤が均等にかかっていないと、生き残ったハダニが再び増殖してしまい、十分な効果が得られません。使用前には必ず農薬のラベルを確認し、対象となる植物や害虫、使用方法、希釈倍率、使用時期、使用回数などをしっかりチェックして、記載通りに使いましょう。
最近では、従来の薬剤に抵抗性を持ったハダニにも効果を発揮する化学農薬や、有機栽培でも使用できる天然由来成分のオーガニック農薬も登場しています。たとえば、気門を塞いでハダニを窒息させるタイプのものなどは、化学物質に抵抗のある方にとって使いやすいものになります。
一方で、農薬を使いたくない方や、より自然な方法を求めている方には、「生物農薬」と呼ばれるハダニの天敵を利用する方法があります。ハダニの天敵には、カブリダニ類、カメムシ類、アザミウマ類、菌類、キアシクロヒメテントウ、ケシハネカクシなどが挙げられます。特に農業の現場では、ミヤコカブリダニやチリカブリダニといった種が、ハダニだけを捕食する天敵製剤として利用されています。これらの天敵は、植物や環境に悪影響を与えることなくハダニを食べてくれるため、環境への負担が少ない点が魅力です。
ただし、天敵を利用する場合にはいくつか注意点があります。殺虫剤を無闇に使ってしまうと、せっかく導入した天敵まで死滅してしまう可能性があるのです。そのため、農薬と天敵を併用する場合には、天敵に影響の少ない農薬を選ぶ必要があります。
もし「自分で駆除するのはもう限界かも」と感じたり、被害が家全体に広がってしまった場合には、ハダニ駆除の専門知識を持ったプロの業者に依頼するというのも一つの選択肢です。専門家に任せることで、より確実で効果的にハダニを駆除できます。
ハダニの駆除は、繁殖力が非常に高いため一度発生するとやっかいですが、さまざまな方法を組み合わせていくことで、しっかりと対処することが可能です。
最後にこの記事の締めとして、これまでに紹介してきた情報をふまえたうえで、そもそも観葉植物に虫が発生しないようにするための総合的な予防策について、まとめていきます。
観葉植物に虫がわかないようにする方法

観葉植物を健康に育て、気持ちよく楽しむためには、『虫』特に厄介なハダニのような害虫が発生しないよう、日頃から予防することが何よりも大切です。これまでの各章でご紹介した対策は、駆除だけでなく予防にもつながる内容が多く含まれています。ここでは、虫が寄りつきにくい環境を整えるための総合的な方法をまとめてご紹介します。
まず、観葉植物の基本的な「育て方」を見直すことが、害虫予防の第一歩となります。特に、「水やり」「掃除」「風通し」の3つを適切に行えば、”虫ゼロ”に近づけることも十分に可能です。
「水やり」
水やりについては、土を湿らせすぎないことが大切です。土が乾いてから水を与える「乾湿サイクル」を意識しましょう。常に湿っている土はコバエなどさまざまな虫が好む環境です。特に梅雨や夏など湿度が高い季節には水の量を控えめに調整することがポイントです。また鉢の受け皿に水が溜まったままにせず、こまめに捨てる習慣をつけましょう。受け皿の水は虫の産卵場所となったり、湿度を高めたりして虫の繁殖を助けてしまいます。さらに、夜間の水やりは土が乾きにくくなるため、朝に水やりをすることで日中に土の表面が乾きやすくなり、虫を寄せつけにくくなると言われています。
「掃除」
掃除もまた、非常に重要な予防策です。枯れた葉や花、落ち葉が鉢の中に残っていると、それらが虫のエサや隠れ場所になってしまいます。水やりの際に、こうしたゴミをサッと取り除く習慣を持ちましょう。また、葉の表面に積もったホコリも、ハダニなどの害虫が身を潜める場所となります。定期的に葉を拭き、ホコリを取り除くことでハダニの予防になります。さらに、植物全体にシャワーで水をかけることで、ホコリや汚れを洗い流す効果も期待できます。
「風通し」
風通しの良い環境を保つことも、特にハダニの発生を防ぐ上で有効です。風通しが悪いと湿気がこもりやすくなり、ハダニの繁殖を助けてしまいます。こまめに窓を開けたり、サーキュレーターを使って空気を循環させたりして、部屋の風通しを良く保ちましょう。植物同士を密集させすぎないよう配置したり、必要に応じて剪定を行ったりして、植物自体の風通しを確保することも効果的です。
また、使用する「土」にも注目しましょう。何度も使い回した古い土には、病原菌や害虫の卵が潜んでいる可能性があります。植え替えの際は、殺菌された清潔な新しい土を使用することが推奨されます。加えて、土の表面に赤玉土や砂などの無機質な素材を敷くことで、虫の発生を抑える効果も期待できます。
新しい観葉植物を購入した際には、すぐに他の植物の隣に置かず、一定期間隔離して様子を見ることが虫の持ち込みを防ぐうえで効果的です。購入した植物に害虫が付着している可能性もあるため、こうすることで他の植物への被害拡大を防ぎます。
また、観葉植物を選ぶときに、比較的虫がつきにくいとされる品種を選ぶのも一つの方法です。ただし、どんな植物にも虫がつく可能性はゼロではないという前提を忘れずに。
こうした対策は、一度行えば終わりというものではありません。日頃から観葉植物の様子をこまめに観察し、愛情を込めてお世話を続けていくことが、虫の発生を防ぎ、植物を健康に育てるために最も大切なことです。健やかに育った植物は、たとえ虫がついたとしても、それに負けず被害の拡大を抑える抵抗力を持っているのです。
観葉植物の虫・ダニ「対策」「予防」「駆除」総まとめ
- ハダニは観葉植物の葉裏に寄生する小さな虫である
- 初期被害は葉の白い斑点や色抜けで見分けられる
- 放置すると葉全体が弱りクモの巣状になり枯れることがある
- ハダニは高温乾燥や風通しの悪い場所を好む
- 観葉植物を購入時や外部から持ち込まれることがある
- 定期的な葉水はハダニの発生予防と軽い駆除に効果的である
- 葉を水で洗い流すことや鉢ごと水に浸ける方法がある
- 葉裏のハダニは粘着テープで取り除くことも可能である
- 少量の被害であれば葉や茎を切り落として対処する
- 牛乳やコーヒーを薄めたものをスプレーする方法も試せる
- ハダニは薬剤抵抗性がつきやすいため薬剤は使い分ける必要がある
- 植物に付くダニが人体にかゆみやアレルギーを引き起こす場合がある
- 観葉植物の土には別の種類のダニが発生することもある


